――ご機嫌な歌を聴かせてよ
夏の終わりは、
あの日の夢を見る。
伸ばした手は何も掴めず
彼女の髪がふわりと揺れるのを
ただじっと口を開けて眺めるしかなかった。
湿った空気を振り払うように深呼吸を繰り返してみても
目の奥の記憶は消えることがない。
いつもより幾分憂鬱を多めに背負って歩いていると
グラウンドで朝練に励む野球部の生徒に元気よく挨拶されて目が覚めた。
全校生徒十九人。町で唯一のこの高校が、四年前から僕の職場だ。
職員室の扉を開けると、見慣れない女性の後ろ姿が目に入る。
振り返ったその顔は、十五年前に目の前で死んだ幼馴染と同じだった。
《作/演出》
畠山 由貴
《出演》
阿部 星来
能登屋 南奈
宮崎 安津乃
上松 遼平(カンガルーパンチ)
大平 詩織(ウェイビジョン)
小笠原 咲希(劇団bab)
小倉 佑介(集団「歯ぎしり」)
嶋口 萌々子
恒本 礼透(ミュージカルユニット もえぎ色)
《スタッフ》
音楽 山崎 耕佑(劇団fireworks)
宣伝美術 安田 せひろ
制作 竹内 麻希子(CAPSULE)
主催 劇団パーソンズ
後援 札幌市
2019/09/05 09/06 09/07 09/08 レッドベリースタジオ